もっと、生きてほしかった……
気づくと弱々しい力で、海斗が私の腕を掴んでいた――。
咄嗟だったために、私も何が何だか分からない…。
「海斗?!」
私のムリな大声で、少しずつ海斗の目が開いた。
「……みな、み…」
………!!!
私の想いが、伝わったの――?
それとも、夢――?
先生に、意識も戻らないと言われたあの海斗が――今、私の前で……微笑んでる!
「海斗!
私のこと、分かる…?」
問いかけに、海斗はゆっくり頷いた――。
嘘―――!!
ホントに、奇跡がおきたよ……っ
最期まで、奇跡なんて起こらないって思ってたのに…!
今目の前で、海斗が笑ってるよ―――。
「うぅ…っ
起きたじゃんか……バカ海斗―!」
「わり…ぃ。
やっ……と、おま……えの、顔―――見れた…。
最期…に、逢わせて………ほしい……って、頼…んだんだ―――。」
頼んだって………
神様にでも逢ったの…?
「そっか。
海斗、すぐに逝っちゃうの…?」
「あ……ぁ。
お…前に……伝えた…いこと、言って…な。
みな…み?
まず……幸せ、にな…れよ……?
お…れが、い……ねぇ…からって……死ぬ…とか、おも……うな?」
え――。
海斗、私が思ってること分かるの……?