もっと、生きてほしかった……




どうして、こんな私を許してくれるの――?



私と出逢いさえしなければ、海斗は生きていたはずなのに………

どうして、そんなに優しくするの――?



「おば…さん……」



「海斗も悔いのない人生だったんじゃないかしら…。

私たちはそう思いたい。

美波ちゃん…?
あの子の大切な人になってくれてありがとう…。

あの子の全てになってくれて、ありがとう――。」



――――――――――――



今でも、あの時のおばさんの顔を忘れない……――――


ココロから感謝を示してくれた、あの安らぎの笑顔を―――。



海斗………
私はホントに弱かった。



あなたが死んじゃうと思うと、怖くて怖くて辛かった………。



なのに、あなたのお父さんお母さんは強くて……。



こんな私を許してくれたの。



我が子を失ったのに、私のせいで亡くなったのに……決して私を責めることは無かった――。



強い人間ってこういうのを言うのかな――?




ねぇ海斗―――
あなたは、どう思う…?





「美波。
そろそろお葬式行くわよ…。」



でも、やっぱり………


“辛いの”……――――






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