もっと、生きてほしかった……
「……分かってる。」
これが最後の別れだと思うと、辛くて悲しい――。
明日からあなたのいない人生を送っていかないといけないと思うと……怖い。
私ってホントにバカ――。
傷ついて初めて気づくの……あなたという存在の大きさに。
もう二度と逢えない――
喋れない――
抱きしめられない――
キスできない――
愛してるって、言えない……――――
海斗の声が聞きたいよ……。
もう一度、私を安心させてほしいよ――。
大丈夫だよって………
俺がいるからって………
言ってほしいよ――。
車の中。
真っ黒の礼服を身にまとっている私とお父さんお母さん。
車の中は終始ずっと無言で、全然話題が出なかった。
私は窓の外の景色を見ていた。
外には車、バイク、自転車まで慌ただしく街を駆け抜けていく……。
ねぇ……
この中にいるのかな?
私たちのように辛い悲しい現実を見ている人は………
大切なモノを失って傷ついてる人は、いるのかな――。
「……着いたわよ。」
お母さんに言われ、私は車から降りた。