もっと、生きてほしかった……



「おば、さん……?」




今の私の顔、きっと醜いよね……。



涙でぐっちゃぐちゃで、化粧も全部落ちて……きっと酷い顔してる。



でも、そんな私をおばさんは真っ直ぐ見つめて、優しく微笑んだ――。



まるで、我が子を送り出すような目で……――――



止まらないでって言うように―――



「大丈夫。
美波ちゃんなら、これから先もやっていける!

海斗がいなくても―――美波ちゃんは美波ちゃんでやっていけるわ。

あの海斗が惚れた女の子なんだもの…。

こんな美人さん、海斗にはもったいなかったけどね…?(笑)」




うぅ…っ

おばさん……!



どうして――?

何でおばさんは私が今一番欲しい言葉をくれるの……。



お母さんにも言ってもらえないことを、おばさんは私にくれた――。



どうして……!



「うっ…ふぇっ……
おば、さん…!」



「美波ちゃん……
あの家も、あなたが好きに使ってくれていいわ――。

私たちは自分たちの家探すから………

だから、止まることだけはやめて――?

歩むことをやめるのは、生きることをやめるってこと……。

だから、間違った道でもいいの。

ただがむしゃらに歩き続ければいい。

迷ったら、また海斗に聞けばいいの――。

ガンバって――!
美波ちゃん!

あなたの人生はまだまだこれからなんだから!!」




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