もっと、生きてほしかった……
無事にお葬式はすみ、気づけば家に帰ったのも夜8時を回っていた――。
今日はこのまま家で寝て、明日海斗の家に引っ越すことにした私。
でも、お母さんたちにはまだ言っていない…。
きっと反対されるんだろうけど……。
「美波……
晩ご飯、できたわよ。
早く降りてらっしゃい?」
今がチャンスだ!
そう思った。
気分的にいらなかったけど、話すために3人揃う今じゃないとダメだと思って無理やりガンバることにした……。
「ほら。
今日は美波の好きなオムライスよ…。
ゆっくり食べたらいいからね?」
オムライス………
海斗の大好物でもあった――。
私、このオムライスと比べたらあの時のオムライスはかなり下手くそだったよね……(笑)
上手く巻けもしない卵を誤魔化して作ってたなぁ………
まだ1週間も経ってないのに、かなり前の話って感じがするな――。
「……ん。
久々の、お母さんの味……――――
おいしいよ……?」
「そう?
良かったぁ…!」
そう言って急にお母さんの顔が明るくなった…。
ゴメンね、お母さん――。
私、こんな大好きな家族を捨てちゃう……。
バカな子どもでゴメンなさい―――。
でも、お母さんたちが愛し合ってたように私と海斗もお互い大好きだったの――。
だからこそ、2人の思い出を大切にさせて――?
「お母さん……お父さん……
私、海斗の家に引っ越すことにした――。」