もっと、生きてほしかった……



ただ宛もなく走り続けた……――――


でも、やっぱり込み上げるのは悔しさで……。



全てがイヤになった――。


私も、楽になりたい…。


海斗のとこに、逝きたいよ……。



海斗なら怒るかもしれない………


でも、今私の隣にあなたはいない――。



怒ってくれるひとも、いない………



「あっ……
部屋着のまんま―――」




急いで飛び出してきたから、服も部屋着で髪の毛もぐちゃぐちゃだった。



周りの大人たちの視線が痛い……――――



そして、やっぱり私が辿り着く場所は海斗のとこだった………




ピーンポーン………



「はい…。」



チャイム越しのおばさんの声は、酷く疲れた様子だった――。



私が行ったら、気を使って余計疲れちゃうかな…?


って言っても私もあんなあとだから帰ることもできない。



なら、やるっきゃないよね……。



「あの……美波…です。」



「えっ!?
美波ちゃん?!」




その言葉の直後、イヤホンは切れて中からバタバタと慌ただしい音が聞こえてきた――。



ガチャッ!


「……美波ちゃん?」



「おば、さん……っ」




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