もっと、生きてほしかった……



「さっき、親とケンカしちゃって…(笑)

海斗の悪口言われてカチンってきちゃったんだ。

海斗のせいで私の人生がめちゃくちゃになるって…。

あんな病気の男に一生を捧げるのかって――。

ムカついた。
私を悪く言ってくれるのはいい……。

でも、海斗のこと悪く言われたのがイヤだった…。」



「そんなことがあったの…。

でも、美波ちゃんのお母さんの言ってること私にも分かるわ。

私もきっと、逆の立場なら言ってるもの――。

でも美波ちゃんは海斗を選んでくれた。

家族じゃなくて、最愛の人を選んでくれたのよね?」




………おばさん――。


当たり前だよ…。

海斗は私にとってなくてはならない存在―――



だから、

大好きだから……

愛してるから……

私は

家族よりも

何よりも

海斗を選んだ―――。



今も、その選択が間違っていたとは思ってない……。


さっき決めたの――。

家を飛び出した時、もうここには戻らないって……――――



お父さんお母さんには悪いことしちゃったけど、これが私の決意だって……。



バカな娘だけど、私は一生海斗のこと忘れられないと思うから……――――



だから、どうか許してください――――


親であるあなたたちを捨てることを………



裏切る私を、許してください……――――



「おばさん――?
私、この家で1人で暮らしたい……!」




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