もっと、生きてほしかった……



「私は止めないわ。
美波ちゃんがしたいようにすればいい――。

私たちは他の家、探すから……。

ただ、海斗………」



「海斗の仏壇はここに置いといて――?

おばさんたちも、帰ってきて?

きっと海斗もそれを望んでる――。」




嘘を、ついた………。


ホントは私が離れたくないだけなの。



ゴメンね?
おばさんたちも、海斗と離れたくないよね――。




でも、おばさんたちはやっぱり優しくて………

私のキモチが分かったのか―――



「いいわ。
海斗のこと、美波ちゃんに任せる!

だから、ヨロシクね?

私たちも、たまに帰ってくるから――。」




―――!!


ありがとう………

おばさん……――――



「分かった!
海斗のこと、私に任せて?(泣)」




おばさんの優しさ全てが私の胸に染み渡る――。



そのせいで、さっき枯れたハズの涙がまた溢れてきた………



この優しさ、海斗と同じ……――――


きっと、海斗はおばさんのこういうところに似たんだ………。



いいなぁ――。



「ありがと。」



「私たち、明日に違う家うつるから。

今日はもう寝ましょ。」




気づくと時間も10時を回っていた――。



早い…………



「うん。
おやすみなさい………」



「おやすみ――。」




おばさんは私が部屋に入るまでずっと笑顔で見送ってくれた――。





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