もっと、生きてほしかった……

最後の“願い”




「……ちゃん?
美波ちゃん!」




はっ!


私、何ボーッとしてるんだろ……。



「着いたわよ?」



「えっ……」




気づくと家の前。


私の意識は完全に違うとこへ行っちゃってたみたい



「あっ!
ありがとうございます!」



「また新しい家決まったら連絡するわね?

用が終わったら1人で帰れる?」



「はい。
じゃあ、連絡待ってます。」




そのままおばさんたちは車で去っていった。



そして私も、家を見上げ覚悟を決めた――。



「よし!
行ける……!」




そろりそろりと鍵を開け、中を覗いた。



あれ……?
真っ暗――?



入ると中は真っ暗で、ついてるはずのリビングの電気も消えていた。



お父さんもお母さんもいないのかな……?



そして、少し開いたリビングを覗くとテーブルに肘をつき頭を抱えたお母さんが座っていた。



その後ろ姿はとても寂しそうで、服装も昨日と変わっていなかった――。


髪もボサボサで、家の中はキレイ好きなお母さんと思えないくらいぐちゃぐちゃだった。



私が、狂わせちゃったのかな――?


そう思うと胸が締め付けられ、罪悪感までもが私に襲ってきた。



そして私の体は動いていた……。



ふと気づくとお母さんに飛び付き、後ろから強く抱きしめていた……――――





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