もっと、生きてほしかった……




「………。」



「ずっと、ガマンしてくれてたんでしょ…。

私、お母さんたちのキモチなんて全然考えてなかった。

だから、やっと気づけた――。

お母さんたちの寂しさも、辛さも、全部……――――」




自分勝手だった………



海斗のことばっかりで、お母さんたちを傷つけてることにも気づけなくて―――。



とんだ親不孝者だよね……。



親である2人を、私はズタズタにしてたんだもん………



ごめんなさい……――――




「美波……?
帰らなきゃいけないんでしょ?」



「……えっ?」



「海斗くんのところへ帰らなきゃいけないんでしょ?

美波がいるべき場所はココじゃない。

美波。
あなたはあなたが信じた道を歩けばいいの……。

私たちが決めた道をあなたが歩くんじゃないんだから―――。

あなたにはあなたの人生がある。

だからこそ、自由に生きたらいいのよ。

愛する人を失うなんて、言葉じゃ表せないくらい辛くて、苦しい……。

でもあの家なら、美波がフツーでいれるんじゃないかな?」




「お母さん………」



ねぇ、お母さん…?

この時、お母さんはどんな顔して私に言ってたのかな――。



私には想像もつかない



でも、これだけは言える。
ホントは辛いんだってこと―――





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