もっと、生きてほしかった……
ガチャッ
家に着くと、いつもとすっかり違って静かだった。
前は海斗がいたせいもあってうるさかったし、昨日はおじさんおばさんが家にいてくれた。
今日からは、1人。
誰もいないこの家に、1人で暮らしていかなきゃいけない。
まだまだ不安だらけだけど、みんなが私を支えてくれてる。
きっと、何とかなるはずだよね…?
そのまま電気も付けず、私は海斗の部屋に直行した。
部屋に入っても、電気は付けずに窓辺に腰をかけた。
少しずつ、暗くなっていく空。
辺りはちょっとずつ闇に包まれていった。
その時、海斗のケータイが床に落ちた。
「あっ……」
まだ、何が入ってるのかすごく怖いけど見ないと海斗の想いが届かない――。
大丈夫。
きっと、大丈夫だよね―――。
ピッ
動画一覧を開く。
すると、たった一件だけ、保存されていた。
“美波へ”
動画の題名にはそう記されていた。