もっと、生きてほしかった……



ピピピピっ




バサッ



久々に腕を通す制服……――――



少しよれよれになっているその制服は、少し懐かしさを感じた――。



自分で弁当を作り、出ていく時間になると、私は海斗の仏壇の前にいた。



そこには写真があって、海斗が優しく微笑んでいた。



行ってこい

そう言うように……。



「海斗、行ってくるね。」



私、今日踏み出す一歩で、その一歩分海斗の前を歩くんだ――。



もう二度と2人で並んで歩くことは無いけど、私は寂しくないよ?



だって、いつでも後ろを振り返ってあなたとの思い出に浸れるんだもん。



どんなに前を歩いても、変わらない。



だから、今日からは前だけを向いて歩いていくね。




「行ってきます!」




ガチャ



バタン





今日から、また一歩一歩踏み出していく――。




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