もっと、生きてほしかった……




久々に見る、校門――。



くぐろうとすると、春を迎える暖かい風が吹いた。



私を歓迎してくれてるのかな?


ふと、そう思った。



ずっと休んでいた私。



気まずさが無いと言えば嘘になる……。



でも、私にはみんながいるから…。


だから安心できる。



これからはみんなが私の“大切な人”だから――。




ガラッ



「お…おはよっ」



「……美波ちゃん?
嘘!元気になったんだ!
良かったぁ……

みんなも心配してたんだからね?」



「えっ………」




そこにはクラスのみんなの笑顔があった。



歓迎されないって思っていた私。



そんな考えを吹き飛ばすほどのみんなのキモチ――。



ホントに私は、1人じゃなかったんだ――!



海斗………

あなたを失ってからいろんなことに気づけたの…。



今まで、私は海斗が傍にいることが全てだって思ってた……。


でも違うんだね――。



ここにも、ちゃんと私を支えてくれる仲間がいたよ!




< 290 / 305 >

この作品をシェア

pagetop