もっと、生きてほしかった……




「……で、話って何?」



向かいにお父さんとお母さん。



向かい合わせに座っている状態。



「あの……
これを、見てほしいの。」



そう言って私は2人の前に母子手帳とエコー写真を置いた。



もちろん赤ちゃんの写真。



「何……これ…」



「私のお腹の中にね?
海斗との間に出来た赤ちゃんがいるの。

先生に言われた時、気づいたの。

この子を生むって決めたから、お父さんお母さんからも逃げないって――。

私は生むよ――!
必ず……!!」



「でも、美波…?
お母さんになるって大変なことなのよ?

簡単なキモチじゃ絶対できない。

それに、あなたはまだ高校生なのよ?

学校だってどうするの?」



「そうだ。
母さんの言う通りだぞ。

美波はどこまで決意してるのか、父さんたちには分からない。」




確かに。


簡単なことじゃないよ?


でもね?
私は決めたの。


もう逃げないって。


だから、いくらでも言うよ――。


私のキモチは中途半端じゃないんだって……。



「中途半端なキモチじゃないよ。

この子は私を選んでくれたの。

何の罪もないこの子を私は殺すことはできない。

守るの――!

必ず私が…!!」



「美波……。」




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