月と太陽の事件簿14/隙間女の視線
間がもたなくなったあたしは、意味もなく部屋のあちこちを見回した。
当然のことながら、最初の印象とまったく変わりはない。
若干物が多い、1DKアパートの一室だ。
「ああ、やっぱりわかりますか」
範子が不意に、口を開いた。
「わかりますかって、なにが?」
あたしの返事は当たり前のものだったと思う。
「なにがって…刑事さんも感じてるんでしょう?」
範子はほほ笑んだ。
ほほ笑む理由なんかないのに。
「あたしもね、ずっと感じてたんですよ」
感じてたって、なにを?
「ついさっき、ようやく見つけました」
見つけた…?
「聞かせてあげましょうか、刑事さん?」
あたしの返事も待たずに、範子は語りはじめた。
当然のことながら、最初の印象とまったく変わりはない。
若干物が多い、1DKアパートの一室だ。
「ああ、やっぱりわかりますか」
範子が不意に、口を開いた。
「わかりますかって、なにが?」
あたしの返事は当たり前のものだったと思う。
「なにがって…刑事さんも感じてるんでしょう?」
範子はほほ笑んだ。
ほほ笑む理由なんかないのに。
「あたしもね、ずっと感じてたんですよ」
感じてたって、なにを?
「ついさっき、ようやく見つけました」
見つけた…?
「聞かせてあげましょうか、刑事さん?」
あたしの返事も待たずに、範子は語りはじめた。