月と太陽の事件簿14/隙間女の視線
正体
半熟プリンを達郎の家に置き、中目黒に向かった時にはもう、午後4時を回っていた。
あたしは達郎をせかしながら範子のアパートへ向かった。
やがてアパートが見えてきた。
だがあたしたちはアパートへは行かず、そこから少し離れた場所に停まっている一台のワンボックスカーに歩み寄った。
「お疲れ様です」
あたしはドアを開けながら、中をのぞき込んだ。
「おつかれー」
助手席の星野警部補がこちらを向いた。
「おう、ひさしぶりだな達郎くん」
運転席の越沼さんがミラー越しに笑顔を見せる。
2人とも達郎とは顔なじみ。達郎の実績をよく知る捜査員だ。
「日野が達郎くんを連れて来ると聞いて、こりゃ毛色の変わった事件になりそうだなと、越沼さんと話してたとこだ」
星野警部補が白い歯を見せて笑った。
35才に見えないほどの若作りだが、捜査一課の次期エースと期待される東大卒のエリートだ。
それでいて人懐っこい所があるので婦警からの人気は高い。
あたしは達郎をせかしながら範子のアパートへ向かった。
やがてアパートが見えてきた。
だがあたしたちはアパートへは行かず、そこから少し離れた場所に停まっている一台のワンボックスカーに歩み寄った。
「お疲れ様です」
あたしはドアを開けながら、中をのぞき込んだ。
「おつかれー」
助手席の星野警部補がこちらを向いた。
「おう、ひさしぶりだな達郎くん」
運転席の越沼さんがミラー越しに笑顔を見せる。
2人とも達郎とは顔なじみ。達郎の実績をよく知る捜査員だ。
「日野が達郎くんを連れて来ると聞いて、こりゃ毛色の変わった事件になりそうだなと、越沼さんと話してたとこだ」
星野警部補が白い歯を見せて笑った。
35才に見えないほどの若作りだが、捜査一課の次期エースと期待される東大卒のエリートだ。
それでいて人懐っこい所があるので婦警からの人気は高い。