この命、あなたにあげます
「春喜、聖夜おはよ!」
教室に入って、いつものように挨拶する。
「よお!佐奈、光おはよ。」
「光、佐奈おはよ!」
私達は荷物を置いて、また教室を出る。
そのまま、屋上に向かった。
「ねぇ佐奈!私ね、そろそろ聖夜に告白しようと思ってるの。」
「えっ?本当に!?」
「うん♪今日告白する!」
「そっかー!頑張ってね。」
「うん!!」
光…あなたには、幸せになってほしいよ…
親友として、一番私が望むこと。
成功したらいいな♪
「そういえば佐奈は、春喜に告白しないの?」
「えっ?無理だよ。だって…怖いし。」
「そんなこと言ってたら、いつまでも進まないよ!」
そうだよね…
光の言うとおりだよ…
でも私、弱いから…
勇気もないから…
「光はすごいね…。強いし…。」
「そんなことないよ!私だって、本当は怖いもん。」
「やっぱりそうだよね。」
「うん…。」
私達は空を見上げる。
「お互い、頑張ろうね。」
この時私達二人は、心の中でお互いに、エールを送った。