インターン・シップⅡ
グングンと、天に向かって上昇して行くエレベーターの中で不安と期待が攻めぎ合っていた。
弟であってほしい期待。
弟じゃなかったら?の不安。
彼女の身内に会うのはこれが初めてだと言うのに、手土産のひとつ持ってきてねぇし。
まぁ予想外の展開なんだししょうがねぇよな。
――――――チンッ。
あれこれ考えてる間に地上から30階も上の、最早上空の領域に辿着いた。
エレベーターを降りてびっくり!!なんとこの30階のフロアーには部屋がひとつしかない。
つまり、アイツが住んでるとこ1部屋しかない。
贅沢三昧な廊下を抜け、家の前まできたらもう諦めの境地だった。
“弟”なわけがない気がする…――――――…。
頭のどこかでそう思いながらインターフォンを押した。