インターン・シップⅡ

グングンと、天に向かって上昇して行くエレベーターの中で不安と期待が攻めぎ合っていた。


弟であってほしい期待。

弟じゃなかったら?の不安。


彼女の身内に会うのはこれが初めてだと言うのに、手土産のひとつ持ってきてねぇし。


まぁ予想外の展開なんだししょうがねぇよな。


――――――チンッ。


あれこれ考えてる間に地上から30階も上の、最早上空の領域に辿着いた。


エレベーターを降りてびっくり!!なんとこの30階のフロアーには部屋がひとつしかない。


つまり、アイツが住んでるとこ1部屋しかない。


贅沢三昧な廊下を抜け、家の前まできたらもう諦めの境地だった。


“弟”なわけがない気がする…――――――…。


頭のどこかでそう思いながらインターフォンを押した。


< 111 / 481 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop