インターン・シップⅡ

「あ、えっと…こちらは私が春から就職する会社の社長の榊さん」


そう紹介すると社長はどうもとだけ言って、私を見た。


「で、こちらはこのマンションの持ち主、千ちゃ……………千ちゃんの名字って何だっけ???」


本当に今気づいたんだけど、千ちゃんの名字を知らなかった。


大体、千ちゃんと初めて会った時にヨウが「こちら千ちゃん」としか紹介してくれなかったせいだ。


あぁ…でも「名前もまともに知らない奴なんかと住むな!」とか社長言いそう…。


ヤレヤレとこっそりため息を吐いた時だった。


隣りに座る千ちゃんが、少し体を前に倒し、社長を見据えて口を開いた。


「最近の会社は…部下がどこに住んでるかもいちいち調べるんですか?」


口を開いたと思ったら…まさかの爆弾投下。


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