インターン・シップⅡ

社長のその言葉に安堵した私だけど、社長もどことなく顔がホッとしているように見えたのは……私の気のせいかな??


「とりあえず休んでた分、きっちり働けよ?」


そう言っていつものように口元を片方だけ上げて意地悪く笑い、私の頭をポンポンと叩くとコーヒー片手に2階へ上がって行った。


あの意地悪な笑い方も、頭を撫でてくれる大きくて温かいあの手も。

少し前の2人に戻れた気がして嬉しかった。


自分でも飽きれるけど…たったそれだけのことがとてつもなく嬉しくて。

頬を緩ませ、胸がときめいた。



何も解決してないし、まだ何も話してないのに。

それでもこの時の私の心は不安な物は何もなくて。


まるで窓から見えるこの秋晴れの空のように雲一つなく、澄みわたっていた…―――――――――…。


< 210 / 481 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop