インターン・シップⅡ
でも、そんな一時凌ぎに過ぎない消去法じゃ手を止めたら思い出しちゃうんだよね。
例えば…今みたいに、ドアが開いたから手を止め「いらっしゃいませ」って立ち上がった時なんかはとくに…。
しかもそのドアを開けて入ってきた人が当人のカオリさんだなんて……思い出して当たり前だ。
……え?もうそんな時間??
内心驚きながらも慌てて時計を確認したらもう3時だった。
あれからこんなに時間が経ってたなんて…集中し過ぎ??それともよっぽど忘れていたかったとか…?
「いらっしゃいませ。社長が私室でお待ちです」
愛想笑い全開でそう声をかけたけど、私なんか眼中にないかのようにツーンとした態度で通り過ぎたカオリさん。
そんな彼女を横目にこっそりため息を吐いて座り直したら、予想外にも声をかけられてしまった。