インターン・シップⅡ

『土産の一つでも買ってこいよ』と言った俺にハルは戸惑いを隠せない声を上げた。


「……え?アイツ…来てたのか…?」


ハルのその動揺しまくりの態度と声に昼間にサツキちゃんからきいた話を思い出した。


…あ、そっか。
こいつらすれ違ってんだった。

ホント…ハルはバカだ。
ガキじゃあるまいし、何をモタモタまどろっこしいことしてんだか…。


受話器の向こうでテンパッてるバカな相棒にヤレヤレ…と頭を振った。


でもそれと同時に俺の中の加虐心に火がついてしまい…


「あぁ、そうそう!

お前ら別れたんだって?」


つい…いじめたくなってそう言ってしまった。


だって、サツキちゃんの事になると見境がつかなくなるハルがおもしろくて。


長年ハルと一緒にいるけど、サツキちゃんが現れてからのハルはまるで別人だ。

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