インターン・シップⅡ
それぞれの過去―蓮司―
“サツキは必ず目を覚まします。”
“自殺したわけじゃない。”
ついさっき、本田医師に言われたその言葉が頭の中を占領していた。
その言葉を聞いてホッ…としたのも束の間、『じゃあ…何で?』っていう疑問が湧いてきて……。
きっとハルもそうなんだろう。お互い口数が少なかった。
そんな中、約束の30分まで玄関前に設置された喫煙スペースにタバコを吸いに行った俺たちが交わした言葉は……
「…なぁ、ハル?
千ちゃんって……何者なんだ?サツキちゃんとどういう関係?」
「…………同居人。
それからヨウの先輩らしくて、あの高級マンションの持ち主……らしい」
……それだけだった。
そのあとは…どこか上の空な俺たちは、昇って行く紫煙をボンヤリ見ているだけだった。