インターン・シップⅡ
そんな中、最初に口を開いたのは本田医師だった。
膝に肘を突き、少し前傾姿勢で握った空き缶を見つめながら。
昔を思い出しながら、俺たちにも分かるように噛み砕いて話してくれるその話に俺たちは静かに耳を傾けた。
「サツキと初めて合ったのは……去年の夏の終り頃でした。
その1~2年前からうちに転がり込んできたヨウに「助けたい奴がいるんだ」って相談を受けて紹介されました。
当時のサツキは何て言うか…もう半分ぐらいは死んでましたよ…。
身に覚えのない借金に悩まされ、恐ろしい取立てに怯え…。
働けど働けど全然減らない現実に絶望し…ホント心身共に疲労困憊って感じでしたね。
もう2~3日後には遺体で発見されてもおかしくないぐらいにやつれてました。
聞けば、過激な取立てに近所から苦情が出て家を追出され行く当てがないって言うし…」