インターン・シップⅡ

そんな私の迷いがわかったのか、社長はゆっくりでいいって言ってくれた。


「今すぐ引っ越しできるわけじゃねぇんだし、退院するまでゆっくり考えてくれ。

じゃぁ…俺はそろそろ行くわ。会社戻んねぇといけねぇから」


そう行って腰を上げると、「ちゃんと飯食って寝ろよ!」と釘をさして部屋を出てった。


残された私はもらった鍵を握りしめてもう1度考えてみた。


この鍵が、社長の申出が、嬉しくないわけはない。

でも不安があるのも事実。

幸せがすぐ目の前にあるのに…何で逃げ腰になるかなぁ、私…。

せっかく社長の方から歩み寄ってきてくれてるのに。


気遣ってくれるし、毎日こうやって時間作ってはお見舞いにきてくれる。

距離を縮めようと、私を受け入れようと努力してくれてるのに…。


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