インターン・シップⅡ
手にはさっきもらった鍵を握りしめて。パタパタとスリッパを鳴らしながら。
走っちゃいけない廊下を走って急いでエレベーターホールまできたけど、もうエレベーターは下に向かって行ってしまってた。
そのまま次をじっとなんて待っていられなくて、私は階段を使って下まで走った。
お願い、間に合って!社長に伝えたいのっ!
逸る気持ちが体を動かし、下へ下へと階段を下りた。
漸く、1階に着いたけどやっぱりエレベーターの方が早くて。
私は上がった息も自分の格好も気にすることなく、キョロキョロと社長を探しながら小走りに出入り口に向かった。
出入り口の自動ドアを抜け、タクシーやバスが集まるロータリーを歩く社長を見つけると……
「社長ーっっ!!」
もうそのまま、なりふり構わずその後ろ姿に向かって私は叫んだ。