engage−あの日の約束
いつも通りに先輩のお弁当と自分のお弁当を作って、わたしの朝ごはんのおにぎりも作って家を出た。
先輩が食べてくれなくてもいいから、一応作った。
もし食べてもらえなかったら……
だめだめ!
悪い方に考えちゃ。
先輩は絶対食べてくれる。
――――――
学校に着き教室に入り、明美を探した。
まだ、来てないのか……
すると後ろから、バタバタと足音が。
わたしが振り向こうとする前に、抱き着かれた。
「おはようー乙葉♪」
「おはよ…ッ」
声を出すと我慢してたものが溢れそうだ。
「乙葉?屋上行こう」
「な、なんで?」
「だって乙葉、今にも泣きそう」
そういうと明美はわたしの腕を引っ張って、屋上へと向かった。
やっぱり明美にはばれてしまう。気付いてくれる。
今のわたしには、明美そういうところにもなんか泣けてくる。
明美の優しさに触れて、我慢できなくて、涙が出た。
屋上に着くまで、どうか先輩と会いませんように…