engage−あの日の約束



いつも通りに先輩のお弁当と自分のお弁当を作って、わたしの朝ごはんのおにぎりも作って家を出た。





先輩が食べてくれなくてもいいから、一応作った。





もし食べてもらえなかったら……




だめだめ!
悪い方に考えちゃ。



先輩は絶対食べてくれる。



――――――



学校に着き教室に入り、明美を探した。



まだ、来てないのか……




すると後ろから、バタバタと足音が。



わたしが振り向こうとする前に、抱き着かれた。




「おはようー乙葉♪」


「おはよ…ッ」


声を出すと我慢してたものが溢れそうだ。



「乙葉?屋上行こう」


「な、なんで?」


「だって乙葉、今にも泣きそう」



そういうと明美はわたしの腕を引っ張って、屋上へと向かった。




やっぱり明美にはばれてしまう。気付いてくれる。
今のわたしには、明美そういうところにもなんか泣けてくる。



明美の優しさに触れて、我慢できなくて、涙が出た。




屋上に着くまで、どうか先輩と会いませんように…







< 103 / 137 >

この作品をシェア

pagetop