engage−あの日の約束
「それにね……
すごく仲よさげだった……
いつもあんまり笑わない先輩が笑ってたの……」
「でも、あの海先輩に限ってそんなこと……」
わたしも、そう思いたいよ。
だけど………昨日見たことは事実なんだ。
先輩………他に好きな人いたのかな。
昨日の人が好きなのかな。
昨日あれだけ泣いたのに、涙は枯れることなく、次から次へとどんどん流れ出た。
先輩が誰が好きでもいい………
だけど、………傍にいたい。
先輩と一緒にいたい。
「乙葉………、ちゃんと先輩と話しなよ……」
「そう……したいけど………怖い………」
フラれたらどうしよう。
「でもそれじゃあ、ずっと苦しいままだよ。
何も変わらないし進まない………乙葉はそれでもいいの?」