engage−あの日の約束




わたしも黙々とご飯を食べるけど、少し………いや……かなり気まずい。




だって…………だって、だって、この前先輩と一緒にいたのがお姉さんだったなんて…………





先輩は、どう思ってる?


めんどくさい女だって思われたかな?





「乙葉、ちょっと来て」




先にお弁当を食べ終わっていた先輩は、わたしがお弁当を片付けたのを確認して腕を取ってどこかへと引っ張っていく。





「え?………せ、先輩?」




ど、どうしよう………



これは、フラれるかも………




そう思うと、また涙腺が緩む。






わたしの涙が落ちそうになった時、先輩はわたしの腕を離して立ち止まった。






明美とアッキー先輩から少し離れた木陰。

楽しそうに見える二人の会話は聞こえない。




「乙葉」




わたしは涙が出ていたことを忘れ、声がする方を見た。











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