engage−あの日の約束



どんどん…近づいて……先輩は、わたしの前で立ち止まった。



「あ、あの……「そなたは…どこの者だ?」」




変わった着物を着ているが…と、先輩は言った。



というか、やっぱり先輩じゃないかも……
しゃべり方も違う。




「それに…お主、乙姫に似ておる……」




…………?
おと、ひ、め……?




って……もしかして………




「あ、あの…おとひめ…って……?」



わたしは、先輩のそっくりさんに聞いてみた。





「乙姫か?乙姫は…わたしの………とだ」




「え……?なんて…?」




また…だ。
肝心なところが、聞こえない。






もう一度聞こうとしたけど……だめだ。


そっくりさんの口は動いているのに、声が聞こえない。


周りもまた、白く………


もう……目が…………












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