engage−あの日の約束
待ち合わせ場所には…やっぱり先輩はいた。
先輩…待たせちゃった………
「ごめんなさい…待たせちゃいました!」
緊張と、申し訳なさで先輩の顔を見れない。
あぁ……どうしよう……
せっかくのデートなのに……最悪だ……
「乙葉……」
先輩に呼ばれて、恐る恐る視線を合わせた。
「大丈夫。まだ、待ち合わせ時間になってないし、俺も今、来たところだから」
そう言って、やんわり笑った先輩。
何だか……今、胸がキュンと高鳴った。
あ、ヤバい……先輩…のこと、やっぱり………
「じゃあ、早速行こうか」
先輩は、わたしの手を握りしめ歩き出した。