engage−あの日の約束





呼び捨て…!?




「呼んで?」




先輩は、首を傾げてわたしに言った。




これは……もしや……今…ですか………?





「乙葉」




先輩のきれいな瞳がわたしを見る。



「せ、…先輩……」




「違う………海斗…でしょ?」




やっぱり…今、呼べって事だ……



ど、どうしよう……


わたしは、恥ずかしくてうつむいた。


だけど先輩は……




「だめ……乙葉…
こっち向いて?」




そう言って、わたしの頬を両手で挟み、顔を引き上げた。




わっ…わわ……



恥ずかしい……



先輩の瞳は、早くしてと、訴えていた。




「言わなきゃ…だめ、ですか?」



「当たり前」






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