engage−あの日の約束



「さっきの男にやられたの?」




キスマークだ……




「はい」



先輩に見られた……




「ここだけ?」




わたしは知られたくなくて、思い出したくなくて黙り込んだ。





「乙葉、ちゃんと答えて」



ビクッ



先輩の声が低くなった。




怖くなって涙目になってきた。



わたしは首を横に振ることしか出来なかった。





先輩……
どおしてそんなに怒ってるの?



怖い……




「ごめん…なさ…い」





わたしはどおすることも出来なくて、ただ謝った。




「どおして謝る?」


「だって…先輩怒ってる…」








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