engage−あの日の約束



「せ、先輩です…。先輩のことが好きです…」





言い終わると俯いた。


怖い……


返事、聞きたくない……




どくん、どくん




まだ、さっきの緊張がとれてない。





先輩、何も言わない。



わたしは、勇気を振り絞って前を、先輩を見ようとした。




でも、いきなり先輩に抱きしめられた。





「せ、せんぱ、い?」



「乙葉、ごめん」





え?



ごめん……って…



わたし、フラれた……?






やっぱり、まだ言わなければよった。




涙で視界が滲む。





「先輩…、ごめんなさい……。迷惑でしたよね」



「え?」



「今日のことは……なかったことにしてください」








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