engage−あの日の約束



わたしはびっくりして、ガバッと先輩を見上げた。




すると先輩は、そんなわたしを見て優しく微笑んだ。



「それは…、本当ですか?」




ゆ…夢じゃないよね?





「……ッ」



今度は、うれしくて頬に涙が流れる。




ダメだ…


最近のわたし、泣きすぎ……






「また泣く。乙葉は、泣き虫だな。



ほんとだよ。出会ってまだちょっとしか経ってないけど、乙葉のこと好きだ。



それに…」





それに……?






「……それに…、ね……?」




そお言うと、先輩はわたしの頭を撫でた。






それに…の後、何言おうとしたんだろう?




聞きたいけど、何かありそうで、怖くて聞けない。









.
< 86 / 137 >

この作品をシェア

pagetop