わたしらしさ。
11月下旬…
母親が携帯を二つもっていたから私は聞いてみた
「母さんそれ…どうしたの?」
『あぁこれ…新しい携帯』
「既にひとつあるじゃない」
『これじゃあ通話料が高いから』
「誰とそんなに電話するの…?」
母は仕事をしていない
だから通話をする相手は
友達か祖母達ぐらい
なら家の電話で済むはず
すると母は
『サイトの人と電話してるの』
「男…? 女…?」
『……………………男』
最初はわけがわからなかった
最近母親が妙に痩せて
若々しいと思っていたが
まさか…
恋して若返っていたなんて
衝撃すぎて本当に
思考がすべて停止された
顔に出ていたかはわからないけど
できるだけ平静を装って
「そっか♪パパにバレないように気をつけなよ」
そう伝えたことは覚えている
良くないことなのに
私は母親を否定することができなかった……
母のあんな輝いた笑顔をみたのは
本当に久しぶりだったから…