男と女





中学2年の時、俺を好きだと言う女子がいることを、友人から耳にした。

その女子の名前は"柴崎雛乃(しばさきひなの)"。

残念なことにヒナと名前が少し似ているが、ヒナの方が何100倍も可愛い。


しかも柴崎は、体型もそれほどよくなく……ぽっちゃりより太い位で、顔もそんなに良くないし、クラスでの存在も薄い方だった。

はっきり、俺のタイプじゃなかった。

影でそいつが俺のこと好きだのカッコイイだのって言ってるのがウザくて、俺は自分からそいつに言った。


──お前みたいなブス、好きにならねぇよ。──



そいつは泣いたかわからない。俺はすぐにその場を後にしたから。


酷いことだとはわかっていても、そいつにそう言ってやったんだ。



本当、冷静に考えれば俺は、最低なことをしたのかもしれない。









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