大切な宝物





§光§


あたしはビックリした


さっきまで怒ってたヤツが急にあたしの面倒みてくれるって言ったんだから


でも最初はムカついたけど実際はいい人なのかもってこの時思った


新?


第一印象かなり最悪だったけどこの時ぐらいから新のこと優しいヤツかもって思い始めてたんだ


新はあたしのことどう思ってたのかな?




あたしは予定通り校庭側の1番後ろの席になった


それから新はいろいろ教えてくれたり教科書見せてくれたりすごく優しかった


新には学校のサボり場所まで教えてもらったね


でもあたしはこの時不安だった


転入初日からみんなに引かれたんじゃないかって


新にも喧嘩うっちゃったから仕返しなんかくるのかな


なんてすごく考えこんでたら新が明るく話かけてきてくれた


『お前何悩んでんだよ?』

その一言であたしは安心できた


『だって…あんなみんなの前でキレちゃったしぃみんなに引かれてないかとか中村君に喧嘩うっちゃったとか考えてて…』


『なんだ…そんなことか♪』


新は優しい顔であたしに言った


『なんだってひどい!あたし真剣に悩んでたのに…』

『あのな…俺は全く怒ってないしこのクラスのヤツらはそんな奴らじゃないから安心しろっ!』


ってまた優しい顔して笑いながらあたしの髪を撫でてくれた


『中村君…ありがとっ♪』


『おう!塚新でいいから』


新は恥ずかしそうに言った

『あたしも光でいいから』

『おう』


また新の顔が赤くなった


『あははっ!顔真っ赤♪』


『うっせぇよ!』


『あはははっ』


あたしたちは2人で顔を合わし大声で笑った


すると先生に


『おい!そこうるさいぞっ』


って転入初日から注意された







もしかしたらあたしはこの頃から新に恋してたのかも知れない




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