合縁奇縁~それでも愛は勝つ
翌年の春、雄輝は三歳組に上がり、お二階組の一員となった。
クラスは10名ずつの二クラスとなり、集団で行動することも多くなる。
普通家庭の子も幼稚園へ上がる年齢だ。
それに比べれば、少し大人びた子ども達。
服が汚れれば自分で着替え、一人でトイレでうんちして、
「つとむせんせぇ~ でっかいのでたぁ~」
と叫ぶ子どもの声で、我に返った。
そう、雄輝の担任が努先生になったのだ。
気負いという程のものでもないが、以前の事もあり、あたしは不甲斐ない母親の汚名を返上しようと少しだけ気を張っていた。
着替えをキチンと揃え、洗い物を溜めず、連絡ノートの文字にも気を使い、朝から紅を引くのを躊躇わなかった。