合縁奇縁~それでも愛は勝つ

傍を小さな小川が流れるその公園は、保育園からの程近く、子供達もよく散歩に来る場所なのだ。

都会の中にあって緑の多いこの地区は、環境としてとても恵まれている。

そこには、そんな喉かな休日の風景が広がっていた。



人の噂って、怖い。



そうか、あたしってそんな風に見えるのか。

確かに、大きく育った雄太は、中学生には見えない程大人びているし。

この歳で二人の子持ちって、経済的に成り立ってんの、って心配されても不思議ない。

勉先生も、そんな噂を耳にしているのか、と思ったら少し凹む。

だから人は怖いと、短絡的に考えるのも大人げないし。

噂を信じず、あたし自身を見ようと一歩踏み出してくれた、この隣人をもう少し観察してみようと思った。



と、見渡す広場の奥の木陰から、大きく手を振り裕子さんを呼ぶ声が聞こえてきた。


「「ゆうこぉ~こっち、こっち」」

「あ、あそこだわ、天野さん、行きましょ」


裕子さんの歩調が早まる。

あたしは、その後ろを複雑な気持ちで付いて行った。
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