合縁奇縁~それでも愛は勝つ
「雄太もあっという間に小学生だな」
夕食時、太一はサラリとそんな言葉を口にした。
「あっという間じゃありません。それなりに、年月を踏んでます」
あたしは、ささやかな抵抗を試みたっけ。
「三年の節目は、祝い事に重なるから都合がいいんだ。
俺だって、我が子の晴れ姿を見たいって気持ちくらい人並みにあるんだぜ」
「えっ?」
「入学式は俺も出る」
あたしは雄太と顔を見合わせて驚いたっけ。
今も手元に残る入学式の集合写真。
太一ったら、ポロシャツに無理矢理ネクタイ締めて、カッコ悪いったらなかったなぁ~