合縁奇縁~それでも愛は勝つ




昨日までの雨が上がって、今日は九月というのに蒸せるような暑さ。




園庭に集まった家族達は、出来るだけ日陰に身を寄せようと、西よりの木陰に集まっていた。


「美樹さん、こっちこっち!」


見渡した保護者席の向こうの端から、舞子さんが手招きしていた。


「裕子達も今起きたんだって。

裕樹は、かわりに樹がさっき連れてった。

まあ、三歳児のプログラムは十時過ぎだけど、選手宣誓、やるんじゃないのかなぁ」


確かに、プログラムには、選手宣誓―ばら・きく組代表、と書いてあったけど。

子供のことだから、誰が何をするのか、なんて詳しいこと良くわからない。

最近連絡ノートもさぼっていて、細かいことまで目が行き届いていなかった。


――もしかして、お手紙来てたかも……

母親失格だなぁ~


と、また思ってしまう。
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