合縁奇縁~それでも愛は勝つ
それから、少し遅れて木村ご夫妻が登場した。
「舞子、いつも悪い!
今度埋め合わせするからさ」
そんな軽いやり取りの後、みんなは広げられた大きなレジャーシートに腰を下ろした。
あたしと雄太は、持参した小さなシートを広げ、少し離れた場所に腰を下ろす。
「やだ、美樹さんも、雄太くんも、もっとこっち来て!
そんな離れてちゃ、ビデオに入んないじゃない!」
ビデオを構えた裕子さんが、大きな声であたし達二人を呼んだ。
三歳児の選手宣誓は、残念ながら男子だけの選抜だった。
裕子さんはそれでも、後ろに並んだ裕樹ちゃんにフォーカスを合わせ、真剣な顔してカメラを構えていたけど。
早めの時間は、0歳から二歳の乳児組が中心の演技で、休憩を挟んで午後は三歳児以上の競技となる。
保育園は成長の幅が広いので、運動会もそれに合わせて臨機応変に取り組まれる。
同じ一歳でも、生まれ月によっては出きる事にも大きな差がでるしね。
舞子さんのところの愛理ちゃんは、同年代の子供達の活躍に、まだ言葉にならなり奇声を発して興奮していた。
子供なりに、色んな刺激を受けるのだろう。
裕子さんちの大雅くんは、バギーでぐっすり眠っていたけれど。