合縁奇縁~それでも愛は勝つ
休憩を挟んだ後の最初が、三歳児の借り物競争だった。
結局、木村さんちは、大雅くんが目覚めて泣き出したため、裕子さんがお乳をあげに園舎へと移動することに。
あたしと雅樹さんが、保護者としてスタートの列に並ぶことになった。
ばら・きく組総勢二十名。
あたしは雄輝の手をとり、合図の笛と共に園庭中央に置かれたリクエストの木に向かって走り出した。
木は、七夕に使ったような笹の切り枝に、二十個のリクエスト用紙が吊り下げられている。
ルールは二つ。
ひとつ、リクエスト用紙は子供がとること。
ふたつ、リクエストの品物は子供が自力で探し出すこと。
早く到達すれば、下の方の紙をとれるけど、後になれば成る程、上の方のリクエスト用紙を取らなくてはならない。
勿論子供の手は届かないから、負ぶったり、肩車したり、と親子力を合わせての取り組みとなる。