合縁奇縁~それでも愛は勝つ
運動会後の公園での昼食会の間、あたしはずっと上の空だった。
「天野さん、頭、凄いことになってますよ」
努先生に、指摘されて頭に手をやった。
多分雄輝がリクエストの木に手を伸ばすため、あたしの頭に摑まってグチャグチャにされたのだ。
あたしの髪は、癖毛の上に量が多い。
キチンと整えていれば目立たないが、風が強い日や、運動の後など目も当てられない状態になる。
「雄輝ちゃん、がんばってましたからね……」
そう言って、努先生はあたしの髪を手櫛で軽く整えてくれた。
「我武者羅な姿って、美しいです」
笑った笑顔に時めいた。