合縁奇縁~それでも愛は勝つ
あたしは……
どちらかと言えば、我武者羅な姿を、見るのが好きだ。
太一が写真にのめり込む姿とか。
実際、彼が撮った写真とか。
勉先生の無邪気に子供達と戯れる姿とか。
実際、彼を取り巻く子供達の笑顔とか。
そして、その姿を、いつまでも見ていられるのなら、あたしはじっと待つことを厭わなかった。
あたしには、そんな役割が似合ってる。
いや、あたしには、そんな役割しかできない。
そう思い込もうとしていたのかもしれないな……
一歩踏み出して、彼の世界に触れることが怖かった。
あたしが触れることで、彼の世界が壊れることが怖かった。