合縁奇縁~それでも愛は勝つ
「おはようございます、天野さん。
あれ、顔色悪いな、なんか疲れてませんか?」
覗き込まれて、ハッとした。
「あたしに構わないで、放っておいてください!」
「でも、気になりますよ。
天野さん、頑張り過ぎるタイプみたいだし……」
あの運動会以来、努先生は何かにつけてあたしに構うのだ。
つい先日は、いきなり映画の話題なんて振ってきて。
「天野さんて、どんな映画みるんですか?
やっぱり女性だし、ロマンスもの?」
なんて、まるで友人の様に気安く聞いてくるものだから、あたしは、無視してロッカーに荷物をしまっていた。