合縁奇縁~それでも愛は勝つ



「そろそろ三年寝太郎が起きる頃じゃない?」



自分の誕生日を目前に、雄太がそんなことを言った。


「覚えてたんだ……」

「まぁ、一応、父さんだしさ」


そっぽを向いた横顔が、益々太一に似てきた雄太。

雄太も4月からは4年生。

身体も随分大きくなった。

基本、小学校に上がってからは、母の手を借りずに二人で生活を頑張ってきた。

放課後は学童もあるし、今まで苦労かけてきた母に、気兼ねなく旅行とか行ってもらいたくて。

たまに三人で食事をする。

夏休みとか、長期の休みには雄太も泊りがけで遊びに行ったり。

それなりに充実した、幸せな生活を送っていたんだ。
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