合縁奇縁~それでも愛は勝つ
保護者会終了後、隣に座っていた裕子さんが、あたしの肩を優しく叩いた。
「行こう」
促されて立ち上がった。
あの後の話なんて、何一つ耳に残っていなかった。
あたしは、思わず本音を語ってしまったことを後悔していた。
「いい男なんだけどね。
如何せん、まだ若い……」
ハハハ……と笑う、彼女のその笑顔に少し救われた。
「なるようになるよ。
気にしない、気にしない」
それでも、あたしの心は重かった。