合縁奇縁~それでも愛は勝つ
そもそも、あたしの今の仕事は、日々の積み重ねで成り立つものじゃない。
そりゃ、シフトを組んだり、報告書を書いたりと、それなりの雑務はあるものの。
あたし一人が抜けたところで、誰かがその穴を埋めれば済むだけのこと。
責任感の強いあたしの性格が仇になって、そのループから抜け出せなかっただけなのだ。
「申し訳ありませんが、どうしても休ませて貰います。
子育てと仕事の両立で、心身ともに疲労困憊です。
ここらでリフレッシュしないと、心が病んでしまいそうなんで」
不思議と誰もそんなあたしを咎める者はいなかった。
――なぁ~んだ、案外簡単なことだったんだなぁ……
気の抜けたあたしは、大きく一つ伸びをした。